「人工芝=水はけが悪い」は嘘!水はけの良い人工芝と下地の選び方

「人工芝は天然芝と異なり吸水性がないから水はけも悪いのでは?」と疑問を持たれる方もいると思いますが、実は人工芝の水はけは決して悪くないのです。現在販売されている人工芝は雨水を下地にしっかりと流す仕組みになっているものが多く、雨が降ったからといって何日も湿っていて乾かないということは原則ありません。ただし、品質の良くない人工芝を選んでしまったり、下地づくりがいいかげんだったりすると水はけの悪い人工芝になってしまう可能性はあります。

本記事では、水はけの良い人工芝と悪い人工芝の違いや水はけの良い人工芝のメリットについて詳しく解説しています。さらに記事後半では、水はけの良い人工芝の選び方や下地づくりのポイントを一挙紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

水はけの良い人工芝と悪い人工芝の違い

人工芝の水はけの良さを決めるポイントは主に2つあります。1つ目が「人工芝自体の透水性」、2つ目が「下地の状態」です。

人工芝自体の透水性

人工芝の素材はプラスチックですが、ひとくちにプラスチックと言っても吸水性・保水性があるものから撥水性の良いものまでさまざまな種類があります。水はけの良さを求めるのであれば、吸水性・保水性のある素材(ナイロンなど)で作られた人工芝は避けるべきです。なぜなら、人工芝の水はけの良さは「いかに下地(土台部分)に効率よく排水できるか」にかかっているからです。水はけの良い人工芝は、水をほとんど吸わないポリエチレンなどの素材でできており、また基盤シートや基布と呼ばれる人工芝の裏地に多数の水抜き穴が用意されています。一方、水はけの悪い人工芝は、水抜き穴の数が少なかったり小さかったりするなど満足な透水性を有しておらず、またパイル部分も水が染み込みやすい安価なナイロンなどで作られています。

下地の状態

人工芝の水はけの良さを左右する要素として人工芝を設置する下地の状態も重要になります。人工芝の下地は主に土あるいはコンクリート材です。いくら人工芝自体の透水性が優れていたとしても、下地の水はけが悪いと水分が人工芝と下地の間に長時間とどまることになり、カビや嫌なにおいの発生が促されます。そうならないために下地が土であれば整地・転圧を行い下地の凹凸をなくすといった下地づくりが大切になります。

水はけの悪い土地の見極め方

そもそも水はけの悪い下地とはどのような状態のことを指すのでしょうか?もっともわかりやすい判断の仕方は、雨が降った後にいつまでも水たまりが残っているかどうかです。水はけの良い土地であれば、たとえ水たまりができるほどの雨が降ったとしても数時間程度で地中に吸収されていきますが、水はけの悪い土地であれば翌日まで水たまりが残ることもありえます。

もちろん、季節や時間帯、降水量などによるため水たまりができたからと言って一概に水はけが悪い土地だと決めつけることはできませんが、水たまりの有無は水はけの良さを確認する際の参考となります。なお下地が土の場合、粘土質の土や赤土は一般に水はけが悪いとされているため、その場合は土の入れ替えなどを行う必要があるかもしれません。また、コンクリート材の場合は、主に傾斜をつけ雨水枡まで雨水を誘導することで水がたまらない状態を作りますが、劣化している箇所があり本来の排水性を発揮できていないといったケースもあります。

水はけの良い人工芝のメリット

人工芝を設置する上で水はけの良さには多くのメリットがあります。本章では、水はけの悪さによるデメリットにも触れながら水はけの良い人工芝のメリットを3つ紹介します。

においやカビの発生を抑制する

「人工芝は水を吸収しづらいプラスチック素材だからカビは生えないのでは?」と思われるかもしれませんが、残念ながらジメジメとした不衛生な環境が続けば人工芝にもカビは生える可能性があります。また、カビのほかにも湿気の高さによる嫌なにおいや湿気を好む虫が発生するおそれもあります。水はけの良い人工芝にはこのようなカビやにおい、虫の発生という心配がありません。

常に衛生的で子どもやペットを遊ばせやすい

水はけの良い人工芝のメリットとして掃除のしやすさも挙げられます。屋外に設置する人工芝の場合、ペットがおしっこをしてしまった、あるいは鳥や野良猫がフンを落としていったことで、人工芝に汚れがつくケースは十分に考えられます。

その際に、水はけの良い人工芝であれば、遠慮なく水を撒いて人工芝についた汚れをしっかりと落とせるのです。掃除がしやすい、つまり常に衛生的な状態を保てることで、子どもやペットに安全安心な環境で遊んでもらえます。

耐久性に優れる

水はけの良さは人工芝自体の耐久性にも影響します。水はけの悪い人工芝だと雨が降ったあとにいつまでもジメジメと湿気がとどまるため、カビも生えやすく、長い目で見ると人工芝の基盤・パイル部分も少しずつダメージを受けてしまいます。一方、水はけの良い人工芝は、カビの発生を抑制でき、さらに水による基盤・パイル部分の劣化も防げるため、耐久性に優れている点がメリットです。

水はけの良い人工芝の選び方

人工芝の設置を検討するときに水はけの良さは判断材料の一つです。本章では水はけの良い人工芝の特徴を紹介します。これらのポイントを押さえておくことで、水はけの良い人工芝を手に入れることができるでしょう。

パイル部分がナイロン製の人工芝は避ける

水はけの良さという観点から言えば、まずパイル部分(人工芝の葉の部分)がナイロン製のものは避けましょう。ナイロン製のものは安価に手に入るというメリットはありますが、水を吸収しやすくカビやすい、そして耐久性も低いというデメリットがあります。ナイロンではなくポリエチレン、ポリプロピレンをパイル素材として使用した人工芝を選ぶのがおすすめです。また、最近では防カビ・消臭加工などが施されている人工芝も販売されており、そういった要素も商品選びの判断材料になります。

基盤シートはポリウレタン加工されている人工芝がおすすめ

基盤シート(基布、バッキング)は、防水性・耐水性に優れたポリウレタン加工が施されているものがおすすめです。基盤シートの吸水性・保水性が高いと、人工芝と下地の間がいつまでもジメジメと湿気が高い状態になってしまうため、カビや虫が発生するおそれがあります。地面や雨水枡の排水機能を効率よく利用するためにも、基盤に撥水性を高めるポリウレタン加工されている人工芝を選ぶと良いでしょう。なお、人工芝の耐久性はこの基盤シートの素材によって大きく変わり、通常5年が寿命とされているラテックス製のものと比べると、ポリウレタン加工されているものは寿命が10年以上と耐用年数も長くなります。

水抜き穴の数が多い人工芝を選ぶ

ポリエチレンやポリプロピレン、ポリウレタンといったプラスチック素材でできた人工芝は、それ自体が水を吸収するわけではありません。人工芝にたまった水は基盤部分に設置された水抜き穴から下地(庭土やコンクリート)に排出される仕組みになっています。

この水抜き穴は商品によってその個数や間隔に違いがあります。水はけが優秀なのは、水抜き穴の数が多いものや水抜き穴の設置間隔が短いものです。人工芝の無料サンプルを取り寄せるなどして検討する際は、ぜひ水抜き穴にも注目してみてください。

水はけの良い下地づくりのコツ

どれだけ水はけに優れた人工芝を準備しても下地の水はけが良くなければ、やはりジメジメと湿気が多い人工芝になってしまいます。人工芝の下地づくりは、優れた商品を選ぶこと以上に水はけの良い人工芝を実現するために必要なことなのです。

地面の凹凸をなくす

人工芝を庭土など地面の上に設置する場合、必ずやらなければいけないのは下地の整地作業です。地面に凹凸や勾配があると雨が降ったときに一箇所に水がたまり続けてしまうおそれがあります。また、凹凸のない人工芝は見た目の仕上がりもきれいです。下地の整地作業は、はじめに雑草や石などを取り除き、その後転圧機などを使用して丁寧に転圧することで地面をならします。もし転圧機がない場合は、時間はかかりますが足で踏み固めたり、トンボ(土ならしをするための道具)の柄の部分などを使用して地盤を固めたりする方法もあります。

土の質によっては入れ替えも選択肢のひとつ

もし人工芝の設置を考えている場所が雨水の浸透性が悪い粘土質の土だった場合、土の入れ替えなどを検討しても良いでしょう。水はけが極端に悪い土地の場合、地下にパイプなどを埋め込む、またはドレイン工法による「暗きょ排水」を設置するなどといった方法も有効です。

下地がコンクリートの場合は補修作業が必要な場合も

ベランダなどコンクリートの場合、雨水を排水するための勾配が取られていることが一般的です。そのため人工芝を設置したとしても水はけが問題になるようなことは少ないのですが、施工からある程度時間が経過しているコンクリートの場合、劣化によりひび割れやくぼみ、へこみなどが生じていることがあります。こうした部分は水分が残りやすくカビの発生要因になりえます。くわえて劣化部分が原因で人工芝をきれいに設置できないこともあるため、下地がコンクリートで劣化している箇所が確認できた場合は、はじめに補修作業の必要が生じることもあるでしょう。

このように水はけの良い土壌づくり・下地づくりは場合によって専門的知識が必要となります。もし、人工芝の設置を検討している場所に普段から水たまりができやすかったり、カビの発生があったりするのであれば、まずは専門業者に相談してみることをおすすめします。

まとめ

人工芝は、適切な商品選びとしっかりとした下地づくりを行えば、決して水はけが悪くなるということはありません。水はけの良い人工芝には管理面や衛生面、耐久性で多くのメリットがあります。ぜひ本記事を参考に水はけの良い人工芝を実現してみてください。

弊社グリーンフィールドの高品質・高機能人工芝「リアリーターフ®」は水はけに関して次のような工夫を施しています。

  • パイルは抗菌・消臭・防カビ加工が施されたポリエチレン、ポリプロピレン素材
  • 基盤シートには湿気に強いポリウレタン加工
  • 他社製品に比べて水抜き穴が多く、地面に水がたまりにくい構造
  • 防草シートには抜群の透水性を誇るグリーンビスタ®を使用

商品詳細や下地づくりの注意点などについてはカタログ・技術資料に詳しくまとめておりますので、以下のページからお気軽にお問い合わせください。

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